「お任せ治療」から「話し合う治療」へ
さまざまな治療法がある現在、自分自身にあった治療法を選択しましょう。そのためには、医療者にお任せにするのではなく、あなたがどうしたいか伝え、医療者と話し合うことが大切です。
患者さんと医療者の対話から始まる
最近では、患者さんやご家族の視点からみた医療も変化してきました。
医療の情報源や治療の選択肢が限られていた時代は、患者さんは、医療者の勧めに従うだけの「お任せ治療」で選択に困ることはあまりありませんでした。しかし現在は、検査の内容、治療法やその後のケアも含めて多くの選択肢があり、患者さんの価値観も多様です。治療に対する考え方も異なり、治療内容に注目する方、治療後のケアや生活を重視する方などさまざまです。多くの情報源をもとに、患者さんから提案や質問をすることも多くなってきました。
このような状況から、患者さんと医療者が対話を通じて、お互いにわかることわからないことを「話し合う治療」が重要になっています。
医師とともに治療法を選択する
通常、主治医はあなたの病状に合わせ、最良な治療の選択肢を示してくれるでしょう。なぜその治療法を勧めるのかをよく確認し、納得したうえで治療方針を決定しましょう。治療の選択肢が2つ以上ある場合は、各選択肢のメリットとリスクを主治医によく確認し、相談をしながら、あなたにとって最良の選択は何かをよく考えていくとよいでしょう。その際、「なるべく家族と過ごしたい」「仕事を続けたい」「苦痛は最小限にしたい」「延命治療はしたくない」といった、あなたの人生や生活において大切なことや治療に対する思いや希望を伝えておくことが、あなたらしい治療生活を送るために重要です。
ほかの治療が気になるときは医師に相談する
主治医が勧める治療とは別の治療に興味がある場合や、受けたい治療がある場合に、一番大切なのは主治医に相談することです。希望する治療の信頼性を確認することも大切ですが、情報源を確かめたり、医師向けの診療ガイドラインを調べたりすることは、患者さんにとって簡単なことではないでしょう。気になるがんの情報や治療があったらまずは主治医に確認して、その情報が信頼できるか、あなたの状態や希望に合った治療かなど、一緒に考えて判断するとよいでしょう。
主治医に聞きにくい場合、看護師や薬剤師に聞くこともできます。答えられる範囲で教えてくれたり、主治医への話し方や問いかけ方のアドバイスがもらえることもあります。