監修:日本赤十字社医療センター 血液内科部長 骨髄腫アミロイドーシスセンター長 石田 禎夫 先生

治療との向き合い方

周りに相談することや、病気を正しく理解することが、不安を乗り越える手がかりとなります。副作用や痛みへの対処法は充実してきています。一人で抱え込まず、ともに治療に向き合っていきましょう。

副作用のつらさを和らげるために、様々な対処法や予防方法が充実してきている

がんの薬物療法は「つらい治療」というイメージがあるかもしれませんが、最近は副作用対策が充実してきていて、つらさを和らげるための様々な対処法や予防方法があります。

副作用と向き合うためには、副作用を正しく理解し、その向き合い方を医療者と一緒に模索することが大切です。またこれは、実際に症状があらわれた場合に早い段階で発見して、適切な対処を受け症状の悪化を防ぐことにつながります。

下記を参考に、あなたの選んだ治療法の副作用について医療者によく確認し、少しでも不安を解消するために役立ててみてください。

「副作用と向き合うための情報整理のポイント」の説明画像

からだの痛みや不安は「治療で積極的に取り除くもの」

現在は、前向きな毎日を送るために、診断されたときからがんの治療を支えるとともに苦痛を和らげる治療(緩和ケア)を積極的に取り入れていきます。

がんによりもたらされる様々なからだと心の痛みを我慢し続けていると、よく眠れなかったり食欲が落ちたりして少しずつ意欲がそがれていきます。

からだの痛みはもちろん、不安、落ち込み、憂鬱な気持ちなどを感じたら、一人で抱え込まずに、まずは主治医に相談してください。主治医をはじめとした医療者が全面的にサポートしてくれます。

ダラキューロ®/ダラザレックス®の患者冊子は、あなたが治療と向き合うサポートツールになります。
  • 毎日体調を確認することはあなたに合った予防策や対処、症状の早期発見などに役立ちます。
  • 患者日誌は治療の状況やご自身の体調やからだに現れる症状、副作用や痛みの状況などを毎日記録するための冊子です。
  • また、受診時に持参して医療者にも見せることで、医療者が普段のあなたの状態を把握する貴重な手がかりとなります。

情報や人とのつながりに、よりよい治療生活と出会うヒントがあることも

不安や恐怖は未知のことからきている場合も多く、正しい情報やより深い理解は不安を乗り越える手がかりとなります。

しかし、インターネット情報は科学的根拠のない不正確な情報もたくさん出回っていて、注意が必要です。

がんの情報収集では、公的機関の発信している情報を中心に探し、判断に迷う情報があれば主治医をはじめとした医療者に相談しながら正しい情報を集めていきましょう。

患者さん向け
インターネット情報
サイトの一例
URL
がん情報サービス
(国立がん研究センターがん情報サービス)
https://ganjoho.jp/public/index.html
がんinfo
(国際医学情報センター)
https://www.imic.or.jp/library/cancer/

また、ときに他の患者さんとの交流の中で得られる情報があなたの心を軽くすることもあるでしょう。患者さん同士が出会える場について興味がある場合、看護師や医療ソーシャルワーカーなどに相談してみましょう。

あなたらしい治療との向き合い方を見つけるためには、悩みや不安を一人で抱え込まないことが大切です。

「副作用と向き合うための情報整理のポイント」の説明画像